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TV番組「"うどんのコシって何?"」

テレビ番組表で「"うどんのコシって何?" "富士山のなぞ"ほか」というタイトルが目に留まりました。

バラエティ番組のようですが、うどんのコシについて、どんな放送がされるのでしょうか?

気になりますね!٩(ˊᗜˋ*)و 

 

放送予定は次の通りです。

 ☑ 放送日時:2019/11/1 19:57~20:42

 ☑ 放送局: NHK総合

 ☑ 番組名: 「チコちゃんに叱られる!」 

古いテレビの写真

 

 

 

 

 

 

 

PexelsによるPixabayからの画像

コシという言葉の使われ方にはムラがある

放送を見もせずに、自分史を振り返ってコシについて考えてみます。

 

1970年代頃、安く買えるおうどんといえばやはり茹でうどんで、食感はふにゃふにゃしており、すぐにちぎれるものを中心に食べていた記憶があります。

 

そして1980年代に、アルミ鍋に入った冷凍うどんの類をはじめて食べました。

その、しっかりと繋がっていて、いくらか弾力がある食感に驚いて、「コシがある」「しこしこしている」と親が言っているのを聞いて、これがコシがあるのだと知ったものです。

この冷凍うどんの食感については、ゆであがったうどんの内側と外側の水分量の違いであることが、テーブルマークさんによって説明されています。

 

 

ところが、2019年の今のご時世では、アルミ鍋の冷凍うどんの食感は一般的なものになり、コシがあるとはあえて言わなくなったように思います。

 

一方でグルメ情報サイトみると、グニグニにしたグミのような食感が際立つうどんだったり、生煮えの硬いゴワゴワした食感のうどんを指して、コシがあると表現されるのをみかけるようになりました。

 

"グミのような食感"は、生地をオーバーナイトで寝かせながら繰り返し足踏みしたり強力粉を加えた力付(りきづけ)した比較的ナチュラルなつくりのものもあれば、加工でんぷんのような添加物の力を借りて作られたものもあり、"商業的に強調された弾力"です。

 

"生煮えの硬いゴワゴワした食感"もまた、家庭的な武蔵野うどんのイメージを表現したひとつとして、太さのムラが大きいままに、煮え切らないうどんの硬さがあるように作られた、"商業的に強調された硬さ"の場合があります。

補足すると、伸ばしの行程で薄くできなければ麺は太くなってしまい、いくら茹でてもゴワゴワしますので、意図せず硬くなっている場合もあると思います。

 

お店によっては、もっちりとのびいいぃるおうどんというのもあって、さまざまな食感を作り込むことでお店の味を表現しています。

 

つまり、しかしそれは商業的に人為的に強調されたものを口にしたかどうかの経験で人によってコシという言葉の使い方が違っているため、世間一般に言われているコシという言葉には普遍的な特性を表すような意味はありません

 

うどんのコシとは、そもそも小麦とうどんを足踏みして作った人の想いである

ところで、素朴なうどんというのは、小麦粉と塩と水を捏ねて作ります。

 

小麦粉に水を合わせて力を加えると、小麦グルテンができ、弾力が生まれます。

この小麦グルテンは茹でられると加熱ゲル化し、しっかりした弾力になります。

小麦グルテンはタンパク質のひとつで、小麦粉に1割ほど含まれるこうしたタンパク質類は胃の中で分解酵素が働いて消化され、 食べることができます。

 

また、小麦粉の7割はでんぷんとされており、水を加えて練られたでんぷんはゆでられることで糊化し、弾力になります。

でんぷんは唾液に含まれる分解酵素が働いてブドウ糖がいくつか結合したものに分解され、食べることができます。

 

口にしたものが十分に分解=消化できないとお腹を壊してしまうので、量をほどほどにし、食べやすい硬さになるよう調理してうどんを食べることになります。 

この小麦グルテンは生のまま人が食べると消化できないと言われており、そのためしっかりと加熱して加熱ゲル化させ、消化できるように調理して食べるものです。

 

つまりまず硬さについてに考えてみると、ゴワゴワした煮えていないところがあるうどんというのは消化の面から言えば本来望ましいものではなさそうだ、ということがわかります。

人生最初の自分の手打ちうどんはまさにその出来だったので、手打ちをしていればゴワゴワと硬いのは"禁断の領域"だと理解されていると思います。

 

そんなわけで、うどんの王道というのは「小平ふるさと村」でいただけるような、太さはできるだけ均一に、火をしっかり通して決してアルデンテなどにはせず、ゆで上げた麺をしっかり洗い、小麦が持つ食感をいただく作りなのだろうと思うのです。

 

次に弾力について考えてみると、うどんの弾力は生地を練るときに力を十分に加えないと、のっぺりした硬さになります。

生地を足踏みをしてちゃんと力を加えることができると、小麦が持っている弾力の特性が表れるのです。

 

また、ゆで上げたうどんは5分以上経つと、食感が損なわれてだらりとしていき、直感的に不味いと感じるようになります。

俗にいう「のびる」というやつです。

 

そうしたことから、ゆで上げたばかりの新鮮なうどんを食べて感じるコシというものは、小麦とうどんを足踏みして作った人の想い、なのだと私は思います。

 

さて、テレビ番組ではどのような取り上げになるのでしょうか。

楽しみです。

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